北の大学生

北の大学生

遊べ、学べ、大志を抱け

僕が北大総合入試理系に現役合格までの体験談を話してみようと思う

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今から数年前、僕は北大の総合入試理系の数学重点選抜群で合格した。簡単に受かったかというとそんなことはないが、かといって高校の頃ずっと勉強していたかといったらそんなこともない。

学校は毎年1人くらい東大が出るか出ないかというレベルであり、その学校で僕は真ん中くらいの順位であった。卒業するまでに一度も理系科目で「5」が付いたことはない。

そんな僕が北大に受かるまでの体験記を今回はつらつらと書いていこうと思う。

 

中学から高校一年生まで

中学から高1の時までは本当に遊んでいた。中高一貫校であったため受験しなくても高校に上がれたし、ゲームをしていた記憶しかない。あと学校にジャンプを持ってきて没収された記憶がある。

とにかく高校一年生までは全く勉強していなかった。

テストは全て一夜漬け、授業中は社会と現代文の授業以外はすべて寝ていた。社会と現代文はなんかノート全部覚えればテストで点数が取れて面白かったので、ノートを取るために起きていた。

数学は平均70点のテストで30点を取り、補習になったこともある。

 

進路選択の際に文系か理系かを選ばされるのだが、英語が壊滅的に出来なかったことと、文系がいまいち何しているのかわからなかったから理系を選んだ。実際北大の二次試験で、英語は4割くらいしか取れていない。

そんなこんなで受験に対して特に何も考えることなく、高校2年生へと進んだ。

 

高校二年生

高2になると僕は部活をやめた。週六回できつい部活であり、正直その競技自体もあまり好きではなかったのでやめた。変わりに文化祭を運営する委員会に所属したが、それに比べるとまったく暇であった。委員会のない日はいつも、ライトノベルや漫画を買って帰り、勉強するわけでもなくただただ時間をつぶしていた。

 

勉強の面では、文系科目の授業がぐっと減り、理系科目の授業ばかりとなった。高1までは化学だけだったのが、物理まで増えた。そして物理は先生の言っていることが難しすぎて、本当に意味が分からなかった。積分習っていないのに、積分で力学を教わった。うーん、無理。dv/dtとか何?かっこつけてんの?普通に加速度aでいいじゃんとか考えてた。

 

数学では数Ⅲが始まった。先ほども言ったように中高一貫校のため、中三で数Ⅰ、高一で数Ⅱ、高二で数Ⅲを教わり、高三は演習のみを行っていくというスタイルである。そういう意味では他の公立高校に比べて、かなりのアドバンテージがあったといえる。まぁ勉強しなかったから意味がないのだが…

ただ、この数Ⅲというやつが僕はものすごくハマった。おそらく先生が好きだったのは大きいが、中高数学をほとんど勉強してこなかった僕でもすんなり理解することができた。数Ⅲはできるようになったが、相変わらず物理はできない……

 

また、高2の秋に文化祭が終わってから僕は塾に通い始めた。塾は少人数の塾であったが、僕の先生は現役の数学専攻の東大院生であった。「うわぁ…絶対難しいこと言うよ、ついていけねえよ」と思ったが…むちゃくちゃ分かりやすい。そして何より「この人本当に数学が好きなんだな」と愛を感じた。塾でも数Ⅲをやっており、僕の数Ⅲ好きが加速、同じころに化学も通い始めたのだが、その先生も東大卒。頭いい人は面白くて、わかりやすい人が多い気がする…僕は化学も好きになった。

 

そして高2が終わるころ…僕はセンター試験を受けた。東進かなんかのやつで「センター同日試験」みたいな感じで、センター試験が行われる時間に受験生と全く同じ問題を解くことができるというものだ。そして結果は900点満点で400点くらいだったと思う。数Ⅲは出てこないので、数学は壊滅。英語は苦手。国語は現代文はよかったが、古典をまるっきりやっていなかったのでダメ。化学はそれなりであったが、物理で死亡。現社は70点近くとった気がするが、北大の入試では使うことができない。

まあそんなこんなで僕のセンター試験は400点くらいで終わり、いよいよ高3へと進む。

 

 

高校三年生

高三になるといやでも、受験を意識する。この頃、ぼんやりと「学部決めたくないから北大にしようかなあ。でもそうすると東工大とかもアリだよなあ」とか考えてた。(東工大のレベルをこの時は少しなめていた。)

しかし、高3になって初めての模試…河合塾の模試を受けたところ、なんと偏差値は46。北大の偏差値は57.5……やばい…。

 

自分の目標との差が大きすぎてショックを受けたが、ここで「やべえ!!このままじゃ入れねえ!!やるぜ!!」とはとても思えなかった。むしろ「まだ春だし何とかなるっしょ」と思っていた。この頃、物理も塾に通い始めていたのだが、やはりさっぱりわからなかった。とりあえずやり方を覚えていた。そして数学と化学の先生が変わってしまって、モチベーションがガツンと下がった。

塾に通ってはいたが宿題などがない塾だったので、自宅学習などはせず、ぼんやりといつも漫画を読んで過ごしていた。今考えると恐ろしいわ…

 

転機が起きたのは夏休み。いつものようにぼんやりと塾に通っていたが、ある日親が北海道までのチケットを秘密で取ってくれた。「あんたが行く学校かもしれないんだから、一度見てらっしゃい」。これが人生を変えた。

翌日北海道に一人で行き、初めて北大を見た。

「なんて綺麗で広い大学なんだ」僕は感動した

僕が一番好きだったのはこの風景

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ものすごくのどかで、川の近くで楽器を吹いている人、写真を撮っている人、散歩をしている保育園の子供たち……僕の知っている大学の風景ではなかった。

そしてこの大学に入ることを決意した。

 

地元に帰ってからは鬼のように勉強した。今までは夏期講習の時間帯である昼から夕方までしか勉強しなかったが、本当に朝から晩まで毎日勉強し、ライトノベルや漫画をすべて封印した。

一番やったのは数学。数ⅢCは得意になったが、数ⅠAⅡBは公式すら危ういレベルであったので、そこを徹底的に復習した。そして新しく自分のやったことを手帳に記していった。

 

夏の期間は、数学と理科にすべてを注ぎ込み、英語やセンター用の国語、地理は全くやらなかった。

そして夏休み明けの河合模試、偏差値は58まで上がり、数学の偏差値を67まで上げた。そして、その後の北大オープンでもB判定をたたき出し、かなり2次試験の力をつけた。
どんなサクセスストーリーだよと思うかもしれないが、そのくらい勉強したのだ。ここまで伸びたことに一番自分が驚いた。

そして、このころから北大の赤本といった過去問をやり始め、苦手だった英語の英作文の練習をし始めた。英作文の添削は学校の先生に頼んでいたが、結局本番まで伸びることはなかった。そして同じく苦手科目の物理もまあまあマシにはなっていたが、得意と呼べるほどのものではなかった。数学と化学だけが僕の心の支えとして働いていた。

 

12月前になると、センター試験対策をやり始めた。ここで一つ気が付いた。

「社会なんもしてない…」

どうして今まで気が付かなかったのか…。いや今なら間に合う。そう思い、社会の勉強を始めた。高3になって社会や国語の授業は選択制で一応とっていたのだが、先生が適当だったので、内職で数学ばかりしていた。定期テストも一夜漬けばかりで何も覚えていない…結局高校1年から成長していないですね。

試しにセンター地理の過去問を解いてみたところ、3割しか取れなかった…

………

……

やばい!!これはやばすぎる!やらないと二次受ける前に落ちる!!

その時毎日10時間くらい勉強しており、そのうち5時間くらい毎日地理をやった。問題集を一冊しか使わなかったが、その一冊を丸々暗記するくらいの勢いでやった結果、何とか7割くらいには到達するようにはなった。よしよし。

そして英語は毎日長文を1問ずつ解いていったところ、センターの過去問で大体8割くらいはとれるようになった。おしおし。

数学と物理は8割、化学は9割を狙える。国語は7割くらいだがまあ大丈夫だろう…目標は720、ノルマは700点…いよいよだ

 

 

そしてセンター本番…

俺は数ⅠAでまさかの計算ミス、それによって20点丸々一つの大問で落とした。点数は6割であった。そして国語では6割を切り、物理も7割であった。

結果僕の点数は660/900、目標の720点を大きく下回り、ノルマの700点を切ってしまった。そのあと、センター調査を3つの予備校に出したが、D判定が2つ、E判定が1つであった。先生には志望校を変えたほうがいいのではとも言われた。だが、俺は北大にどうしても行きたかった。北大のあの川辺をもう一度見たかった。あの大学にどうしても通いたい。その強い思いで、俺は北大に願書を出した。絶対に受かってやるという気持ちで毎日勉強をし続けた。

 

そして最初の受験、東京理科大学の理工学部を受けることになる。僕は私立は東京理科大2つ、早稲田大学2つの4つを受けた。理科大と早稲田の教育は滑り止め、早稲田の理工と北大がチャレンジ校という形である。

まず東京理科大の理工学部を受けたが、手ごたえとしてはまあまあであった。そして数日後、理科大の工学部である。こちらは理工学部より少し難しいが、感触としてはギリギリ受かったかなという感じである。悪くはない。

そして早稲田大学理工学部…は?…何言ってんのこいつ……全然解けなかった…。そして早稲田の教育…これには僕は自信があった。数学の過去問では満点をたたき出したこともあり、絶対受かると思っていた…いたが、入試というものはそんなに甘くはなかった。その年の数学は理工学部より難しく、本気で何もわからなかった。軽く泣いた。

 

そしてこの試験の間にも合格発表が行われていく。早稲田が両方とも落ちてしまったことを考えると、理科大の受験は絶対に合格しておかなければならなかった。たぶん受かっていると思われる理科大理工学部…画面を見る…そこには

不合格

と書かれた三文字。

…言葉を失った。一番可能性の高い大学を落としてしまった。そんなショックで何も言えなかった。

 

 

次の合格発表は理科大の工学部。幸か不幸か北大の入試の前日が発表日であった。既に俺は北海道に飛んでいたが、携帯で合格発表画面を見る。

画面に描かれていたのは

不合格

という、またしても三文字の言葉であった。この時ばかりは見たことを本当に後悔した。明日受からなかったら…という文字が脳裏を掠める。

そんな時、ちょうどそのホテルで「北大生と話そう」とかいうイベントをやっていた。あまり乗り気ではなかったが、親に勧められ、そこで現役の北大生と話した。僕と話した北大生は何となく昔の塾の先生に似ていた。その人が北大に入ってどんな生活をしているか、大学はどんな雰囲気なのかということをたくさん聞いた。2時間近く話していたと思う。そして最後にメッセージカードをもらった。僕が数学と化学が得意という話をしていたからか「数学と理科を極めたなら必ず受かる」と書いてあった。大した言葉ではないのかもしれない。だが気分が晴れやかになった。自分の書いた手帳を見てみる。夏休みからびっしり毎日何をやって何を覚えたかといううのが詳細に書いてある。自信が湧いてきた。

 

そして当日、北大の入試を受ける。僕の目標点は数学7割、物理化学7割、英語4割というギリギリ合格。センター試験を鑑みると、そこまで余裕がない。が、絶対に受かる。その気持ちだけは負けない。

数学、物理、化学はそれなりにうまくいった。問題は英語でどのくらい点数が来るか…

 

そして合格発表パソコンを見ると…

 

サーバーが落ちていて見れなかった…

 

おいおいおいおいマジかよ…と思っているとTwitterでどうやら北大の入試の写真を撮ってくれている人がいるらしい。

それを急いでみてみると

………ある

自分の番号がある!!ちゃんと自分が受けた年の写真か、加工はされてなさそうかということをチェックした。

間違いない、受かった。

私大全部落ちたけど、北大だけ受かった。

ありえない話かもしれないが、実際に起こった。

 

本当にうれしかった。

 

まとめ

結局

理科大工 ×

理科大理工 ×

早稲田理工 ×

早稲田教育 ×

北大総合入試 〇

という結果になりました。何とか最後に受かってよかったです。僕がこの受験を通して思ったのは

「最後は気持ち」

だと思います。

やはりどうしてもその学校に入りたいと思い、努力し、あきらめなかった人が入ることができるんだと思います。

 

もしこれを見ている受験生の方がいるならば、最後まで「ここに絶対入るんだ」という強い気持ちを持つことが大切だと思います。

 

以上です。ありがとうございました。

 

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